恵まれた環境

実は私は恵まれているのかもしれない。

 

昇進できないストレスはあるものの、

末期ガンの父に寄り添うことを許してもらえ、

義父の容態急変時にもすぐに駆けつけることができた。

 

閑職に近い私を、新しいプロジェクトに呼んでくれた

前の上司。

私にどんなことを期待しているか

明確に示してくれた。

期待に応えたい、と素直に思えたので

今よりは子供に寂しい思いをさせたかもしれないけど、

ちゃんと両立できていた。

二人の父親の介護問題があったのはこの上司の頃。

周りには負担を強いることになったと思うけど、

後悔しないようにと私の思いを汲み取ってくれた。

本当に感謝している。

 

プロジェクトが終わり、上司が変わり、初めての面談。

女性の部下を持ったことがないから

どう扱っていいかわからない、と言われた。

男性社員と同じように、と答えたけど、

同じことできないでしょ?

と言われた。

 

 

返す言葉がなかった…

 

 

あれから2年、面談なんてロクにしたことないのに、

毎回平均以下の査定結果。

業務の効率化の為に既存のシステムを改良して、

処理スピードも、管理も明解にできるようにしても

やってることは事務だよね?

って言われた。

 

 

もういいや。

私はこの人の下で頑張れない。

母親の介護や子供の突然の発熱、

未だにいろんなことがあるけど、

5年後に辞める計画に沿って

ちゃんと有給休暇の消化をしている。

 

 

今回の昇進対象の後輩は、

私の目から見ても期待されていることが明らかだった。

羨ましかった。

私も、あの人の立場なら

同じように、それ以上に頑張れたかも…

そしたらこんなストレスなんて

感じずにいられたのにな…

 

 

だけど私は多少の気兼ねはするものの、

遠慮なく休暇を取っている。

今の上司のおかげで。

 

そう思うと、私は恵まれているのかもしれない。